ブログ更新休止のお知らせ

 約3年半にわたり、細々と続けてきたこのブログですが、最近はややマンネリ感がある...

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「百貨店政党」と「専門店政党」

 最近の政治状況をみると、日本に二大政党制は根付いていないと改めて感じられます。民主党も自民党も、政策的には八方美人的・総花的で、両者の対立軸がはっきりしていません。歴史を振り返ると、自由民主党も民主党も「自由党」と「民主党」が合併してできた政党であり、そもそもの理念の違いがはっきりしません。このため民主党・自民党のどちらが政権を取っても、政治の意思決定は迷走しがちです。

 このように民主党と自民党は、八方美人的な「百貨店型の政党」であると捉えることが出来ます。これに対して最近は、一つの政策にフォーカスした政党も出現しています。たとえば国民新党は、郵政の既得権擁護を唯一の旗印にする政党です。またみんなの党は、公務員制度改革を最大の政策目標にしています。これらの政党を「専門店型の政党」と捉えることも可能だと思います。

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デフレ時代の価格戦略 ―明暗を分けたすき家と吉野家

 牛丼業界の2強である「すき家」と「吉野家」の、業績格差が拡大してきました。両社が発表した6月の既存店売上高は、すき家が18.7%増、吉野家が15.1%減となり、両者の格差は極端に拡大しました。

 その背景には、両社の価格戦略の違いがあります。すき家がデフレの市場環境に対応し機敏に値下げ戦略を推進する一方、吉野家は価格維持戦略を墨守してきたのです。牛丼のように消費者の価格志向が強い商品の場合、企業の価格対応力が競争のカギを握ります。これは「自明の理」といってよいことなのですが、吉野家はセオリーを無視した経営を変えようとしませんでした。

 デフレ時代に「価格」を重視しない企業は、市場から大きなしっぺ返しを受けます。

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日本国債のバブルはいつまで続くのか

 ギリシアは絶体絶命。イタリアやポルトガルだってかなり厳しい。さすがにドイツは大丈夫だろうが、場合によってはフランスも危ない。これはワールドカップの戦前予想ではなく、ソブリンリスクに対する市場認識をかいつまんで示したものです。市場は欧州諸国の財政悪化に対して敏感に反応しており、欧州の金融市場は、まさに「尻に火がついた」状況になっています。

 これに対して日本国債は、市場の強風にもビクともせず、市場は大量の国債を消化し続けています。市場から叩かれた欧州諸国の国債金利は上昇していますが、日本国債の金利は依然として、超低水準に留まっています。安全資産としての日本国債の地位は、全く揺らいでいません。

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「成長戦略」に戦略性はあるのか

 かねてから「成長戦略がない」と批判されてきた民主党政権が、「新成長戦略」なるものを発表しました。今まで成長を阻害しかねない政策を推進してきた民主党政権が成長への意欲を示したことや、財政を殺しかねないバラマキ施策を積み重ねてきた政府が財政再建への意欲を示したことは、基本的に好ましいことだと思います。

 しかしこの「戦略」の中身は、いささか迫力不足ですね。この程度の施策内容で「GDP伸び率1%押し上げ、500万人の雇用創出」という目標達成ができるかどうか、手放しでは信じられません。またさして骨太とは言えないこの程度の施策でさえ、今の政府に実行能力があるのかどうか、心もとない気がします。

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明日の家電市場を制するのは誰か? ―その2 ハイテクからEテクへ 

 前回の記事「明日の家電市場を制するのは誰か? ―その1 3DTVでは変わらない」の続編を書きます。前回の主旨は、「新しい技術を売り物にしても、ビジネスモデルが変わらなければ家電業界の構造は変わらないし、日本企業の復権は困難だ」ということでした。

 今回は、日本の家電産業が陥った技術至上主義の袋小路から脱出する方策について、一つの切り口を提示したいと思います。その”ココロ”は、「ハイテクノロジーからE(エモーショナル)テクノロジー」です。今までの家電業界企業は、技術の高さ(=ハイテクノロジー)を競ってきました。しかし結局それはドングリの背比べであり、ハイテクは企業の差別的優位性に結び付かなかったと考えられます。

 企業がハイテクを「これはすごい技術です」と誇示しても、消費者が「これはすごい」と感動することは、もはや稀有といえます。消費者を感動させる技術(=エモーショナルテクノロジー)は、従来のハイテクとは別の方向にあるのだと思います。

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明日の家電市場を制するのは誰か? ―その1 3DTVでは変わらない

 巨大な市場を抱える家電産業では、パナソニック・ソニーなどの日本企業が長く覇権を握っていました。しかし今後の雲行きは、怪しいと言わざるをえません。日本の家電メーカーは既に多くの製品分野で、サムソンに対して劣勢を余儀なくされています。また今後はハイアールなどの中国メーカーも、手ごわいライバルになると予想されます。それだけでなくアップル・GoogleなどのIT企業も、巨大な家電市場への参入を狙っています。

 日本の家電メーカーは既に家電業界の覇者ではありません。事実、家電ビジネスで儲かっている日本メーカーはほとんどありません。日本の家電メーカーが復権するためには、チャレンジャーとして、サムソンの覇権を打ち破るだけのイノベーションを成し遂げなければなりません。

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ソニー、Google提携 ―その2 革新的ビジネスモデルを構築できるか

 前回に続き、ソニーとGoogleの提携について書きたいと思います。前回の記事(「ソニー、Google提携 ―その1 コモディティ化と戦うソニー」)では、「必要だったのは、先進的なモノではなく、革新的なビジネスモデルだったのです」と結論を述べました。今回はこの点を、少し掘り下げて考えてみたいと思います。

 かつてのソニーが卓抜した企業であったのは、革新的な製品を開発し市場に投入してきたからです。しかし現在、企業が先進的な新製品を開発しても、それが企業の業績に大きく貢献することは少なくなりました。ほとんどの新製品は即座に模倣されてしまうため、どんな先進的な製品をもってしても、企業がそれによって過当競争から抜け出すことは困難です。

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ソニー、Google提携 ―その1 コモディティ化と戦うソニー

 ソニーがGoogleとの提携を発表しました。この提携が、ソニーの復活のきっかけとなるかどうかは、今後の経緯を見守るほかありません。しかしこの提携は、ソニーにとって重要なターニングポイントとなる可能性を秘めています。

 ソニーは過去一貫して、ブランド力を武器に、「モノに付加価値を付けて売るビジネスモデル」を推進してきた企業です。ただしそのビジネスモデルの賞味期限は、1990年代には既に切れていました。モノに付加価値を付ける戦略は、もはや有効とは言えません。

 バブル崩壊以降、ソニーにとっての20年は、日本経済の20年と同様失われた20年であり、老朽化したビジネスモデルからの脱却を求められ続けた期間だったと考えられます。過去20年間、”宿題の答え”を出せなかったソニーにとって、残された時間は長くありません。今回の新機軸は、ソニーが世界をリードする企業に復権するための最後の機会といってよいのかもしれません。

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楽天のビジネスモデル転換

 楽天が物流サービスに進出しました。これは在庫管理・出荷・配送などの業務を、楽天が出店店舗から請け負うものであり、大きなビジネスモデル転換として注目されます。楽天は、今までビジネスドメインをネットに集中してきた企業です。これに対して物流ビジネスは完全なリアル事業であり、この分野への進出は楽天の戦略転換と考えることができます。

 楽天の戦略転換の背景には、「ネットの一般化」とも言える状況変化があると思います。今までのネットビジネスは、ビジネス全般の中ではマージナル(周辺的)なビジネス領域でした。しかし現在、ネット通販は広範に普及しており、もはやメインストリームのビジネスと言ってよいでしょう。「ネットは特殊だ」という理由で、ネットに特化する時代ではなくなりつつあるのです。

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«内需は回復に向かうのか?