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コモディティ化する自動車 ―その2

 前回に続き、自動車のコモディティ化とその影響について考えてみたいと思います。
 先行事例として参考になるのは、家電業界です。家電のコモディティ化により、最も傷ついたのはソニーですね。自動車もその二の舞となる可能性があります。

 

□ コモディティ化による付加価値の喪失

 製品のコモディティ化が進むと、中途半端な付加価値は市場から評価されなくなります。家電製品では、日本メーカーはこぞって付加機能化による価格維持を目指しました。だがそれは、軒並み失敗に終わっています。結局のところ、ユーザーから見た品質には大差がないので、価格を安くしないと売れないのです。家電がコモディティでなかった時代には、ソニーブランドは他ブランドより高く売れましたが、現在ではそのようなことはありません。消費者はソニーでも他ブランドでも使用満足度に差がないことを熟知しています。

 コモディティ化の泥沼から抜け出すには、同質競争から抜け出すしかありません。アップルのi-PODのように突き抜けた差別化を実現できれば、その製品はコモディティとはみなされません。

□ コモディティマーケットを勝ち抜く企業は?

 このまま自動車のコモディティ化が進めば、業界各社の業績は深刻な影響を受けるでしょう。コモディティマーケットで利益を出せるのは、最も生産効率の高いトヨタのみ、ということになると思われます。他社は「集中と選択」の戦略を進め、どこかに突出した強みを作るしかありません。例えていえば「液晶のシャープ」のような戦略が必要です。それができなければ付加価値を失い、コモディティ化の砂漠の中で干上がってしまうでしょう。

 その視点から見ると、「軽」という突出した特長を持つスズキは生きる道があります。これに対して日産やホンダは厳しいかもしれませんね。特にホンダのポジションは、家電におけるソニーと重ね合わせのように見えます。

□円安の潮目が変わるとき、何かが起こる

 自動車業界は現在円安という、ぬるま湯の中にいます。しかしどこかで潮目は変わるでしょう。円安のトレンドが変わったとき、自動車業界にも波乱が生じるのではないかと予想しています。

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