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株式会社倫理の死? ―ブルドックソースの買収防衛策承認

 ブルドックソースの株主総会で、投資ファンド「スティールパートナーズ」に対抗する買収防衛策が承認されました。これは特定株主を差別的に取り扱うものであり、株式会社制度の基本理念に反するものといえます。

 このようなやり方がまかり通ると、買収防衛策は実質的に「なんでもあり」になってしまいますね。大げさな言い方ですが、日本の資本主義に禍根を生じるのではないかと考えています。

□ 経営者が株主を選んでよいのか

 「株主が経営者を選ぶ」。これが株式会社制度の大原則です。これに対して、今回の買収防衛策は、特定株主を排除するものです。つまり実質的に、経営者が株主を選別しています。もちろん株主総会の議決を経ていますので、「経営者の一存で決めたわけではない」という形式は整えています。

 しかし形式の話はともかく、実質的な弊害は大きいと考えます。つまり安定株主工作さえしておけば、経営者の嫌いな株主を排除することが、実質的にできるからです。これは経営者のモラルハザードにつながります。

□ 株主主権が担保されないリスク

 このような買収防衛策を多くの企業が採用するとなると、その弊害は非常に大きくなります。それは大げさに言えば、株主主権の一部が欠落した状態を意味します。株主から見ると、経営者の暴走やモラルハザードへの抑止力が弱まることのリスクは小さくありません。

 リスクが高まれば、株式投資に対する魅力も減退します。当然株価も下落します。これは「風が吹けば桶や・・・・」の論理ではなく、もっと直接的なものです。グローバルな投資家は、資本主義の原則が歪められた市場への投資には消極的にならざるを得ません。

□ 株式会社倫理の死?

 「株主を差別的に取り扱ってはいけない」。これは倫理の問題でもあります。このような買収防衛策に歯止めが掛かることを、切に望みます。

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