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リスク過敏社会の罠

 nikkeiBPnetに新しい記事を公開しました。「リスク過敏社会の罠」です。

 「コンプライアンス不況」という言葉を、あちこちで聞くようになりました。金融商品取引法や建築基準法などの規制強化が、企業の活動を萎縮させ、不況を招いていると言う主張です。コンプライアンス不況の背景には、社会のリスク過敏化があると思います。

 社会全体がリスクを怖がりすぎて、過剰な規制を求めてしまっています。企業もリスク過敏症になってしまっていますね。その結果出来上がってしまったのが、がんじがらめの社内規制です。リスクを怖がるあまり、企業の活力が失われてしまうのが、リスク過敏社会の罠です。

□ 自由経済からの逃走

 現在巻き起こっているのは、「リスクを撲滅せよ。役所が安全性を保証しろ」という世論です。日本の社会では、役所があらゆる問題を解決できる権限と責任を持つと誤解されがちです。このような思考の弊害は少なくありません。

 今日の世界の趨勢は「自由経済化」です。日本もこれにキャッチアップすべく、規制緩和を進めてきました。だが現在、急速に進みつつある規制回帰は、自由経済からの逃走のように感じられます。

□ 超管理社会化する企業

 リスク過敏社会化の情勢を受けて、企業化管理強化を進めています。その発想は、「ほんの少しのミスも許さない」というものです。しかし、本来人間はミスを犯すものです。その人間にミスをさせないようにするには、人間性を否定するほどの厳しい管理をするしかありません。

 nikkeiBPnetの記事にも書きましたが、必然的に「職場からの文書持ち出しは不可。取引先に提出するなど、必要がある場合はすべて許可を受ける。パソコンのハードディスクにはデータを保存することができない。したがってノートパソコンを携帯して外部で作業することはできない。オフィスの入退室にはすべてIDが必要。同じ会社であっても当該部社員しか入室できないので、同期社員に気軽に会いに行くこともできない。私用メールはすべて禁止。あるいはインターネットへのアクセス禁止。社員がパソコン上で行った作業はすべて監視される」というような究極の管理が必要になります。

 リスク過敏社会は、企業の内側から活力を奪っていきます。非常に憂慮すべき事態だと思います。

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