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マネーの時代の終わり -その1「終わりの始まり」

 世界中の金融システムが、危機的状態に陥っています。それに対して日本の政治や世論は、異常なほど危機感がないですね。

 それはさておき、今回の金融危機は時代の節目を示すものだと考えられます。異常な速度で進展した金融経済化が、そのスピードをコントロールできなくなり、クラッシュしてしまいました。これは「マネーの時代の終わり」を示唆しています。ただし、現在は終わりの始まりです。

□ 急速に進んだ金融経済化

 今世紀に入ってから、世界経済の「金融経済化」が急速に進みました。金融経済化とは、経済活動における金融機能の役割が高まり、金融ビジネスの付加価値が高まる状況を指しています。

 具体的には、「地道なものづくりでは儲からないのにM&Aでは”ドカン”と儲かる」とか、「投機マネーが実体経済を振り回す」とか、このような現象も金融経済化の結果生じたものの一部と言えます。

 ただし金融経済化は、決して悪いことではありません。金融経済化は市場経済化の延長線上で、必然的に進展する性格のものであり、金融の世界におけるイノベーションが、世界経済の効率化に貢献した面は少なくありません。

□ 金融経済化の限界と”マネー”の暴走

 金融経済化の過程で、世界経済におけるファイナンシャルなセクターは急成長を遂げました。この成長が更なる資本と人材を金融界に呼び込み、「成長が成長を生む構図」が成立しました。

 しかしながら”マネー”の膨張が永久に続くことは不可能です。実際の話、マネーと実体経済はコインの表裏のようなもので、不可分に結びついています。たとえば原油価格の高騰はマネーが為したものですが、それは原油の物理的取引という実体経済と不可分です。株価の高騰はマネーの世界で起こるものですが、株価とは本来、企業の経済価値をあらわす指標のはずです。

 したがってマネーの成長の背景には、本来は実体経済の成長がなければなりません。ここが大幅に乖離してしまったところに、現在の金融クラッシュの原因があります。

 マネーのみが脚光を浴びる「マネーの時代」は、金融経済化の過程で生まれた”あだ花”と言ってよいでしょう。マネーの時代は早晩終幕せざるを得ません。ただし現段階はまだ、「終わりの始まり」だと思われます。

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