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下流社会への道 ―その2 下流化へ向かうトレンド

 「下流社会への道」というテーマで、日本の消費者が下流化していく現実とその影響について、何回かに分けて整理してみたいと考えてみたいと考えています。

 前回(「下流社会への道 ―1 所得の減少は続く」)、日本人の賃金減少は避けられないと書きました。実際に所得階層別のマジョリティは、年収400~800万円の中流層から、年収400万円未満の下流層に移りつつあります。

 これにより、今まで「1億総中流」の市場構造を前提に戦略を構築してきた、日本企業のビジネスモデルは根底から覆されることになります。

□ マジョリティは下流層に移った

 厚生労働省の「国民生活基礎調査(2007年)」のデータをもとに、所得階層別の世帯数構成比を分析すると、以下のように整理できます。
  最下流(貧困層) 世帯所得100万円未満  6.2%
  下流           100-400万円未満 37.8%
  中流           400-800万円未満 33.9%
  上流          800-1400万円未満 17.4%
  最上流           1400万円以上  4.7%

 この結果をみると、2007年時点ですでにマジョリティが下流層に移っていることが分かります。2007年は景気が良かった時期ですから、現時点ではここから相当に悪化しているはずです。

□ 下流へ向かうトレンド

 試みに、2007年のデータを10年前の1997年のデータと比較してみました。その結果ですが、下流以下の世帯の構成比は36%から44%へと急増しています。それに対して、どの所得階層が減少したかというと、年収800万円以上の上流世帯の構成比が大きく減少しています。上流以上の世帯構成比は1997年の33%から2007年の22%へと、11ポイントも減少しました。

 つまり現実は、「勝ち組と負け組への2極化」ではなく、全体が下へ下へ向かっていると理解すべきです。ぼくは巷間言われる「格差社会」は、ある種マスコミによってつくられた幻想だと考えています。日本全体が「負け組」であり、下流化していく現実を直視すべきです。

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