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百貨店は消え去るのか?

 百貨店業界が深刻な経営危機に陥っています。かつての百貨店は、文字通りあらゆるジャンルの商品を取りそろえ、老若男女の幅広い客層を相手に販売する業態でした。しかし百貨店の各売り場は、専門店との競合に敗れ、次々と”落城”してきたのです。そしてついに”本丸”であるアパレル商品も、ユニクロ等の専門店の攻勢を受け、落城寸前の状況にあります。

 アパレルという”本丸”に立てこもった百貨店が競合に敗れれば、百貨店業態の存在意義はなくなります。百貨店はこのまま消え去る運命なのでしょうか。

□ 本丸落城!

 昨年秋のリーマンショック以来、百貨店業界の売上高は二桁減収のペースで推移しています。そしてこの秋は、この二桁減収が二順目に入りました。まるで潮が引くように、百貨店から消費者が消えようとしています。

 現代の消費者は、百貨店の商品に値段ほどの価値を感じていません。そして消費者の支持を失った小売業態は、衰退の道を歩むしかありません。

□ 千客万来の「もう一つの百貨店」

 しかしながら、「百貨店業態に対する消費者ニーズがなくなった」と考えるのは早計だと思います。「あらゆるジャンルの商品を取りそろえ、老若男女の幅広い客層を相手に販売する業態」を百貨店と定義するならば、高島屋や三越などの既存百貨店は、すでに百貨店ではありません。

 現在上記定義の業態に最も近いのは、ヨドバシカメラなどの駅前家電量販店だと思います。たとえば秋葉原のヨドバシカメラには、家電製品はもとより、おもちゃ・楽器から化粧品まで幅広いジャンルの売り場があります。食品やアパレルの扱いはありませんが、それでも既存の百貨店より品揃えの幅は広いと言えるでしょう。そしてこちらの「百貨店」は大盛況です。

 つまり百貨店がアパレル専門大店に変わり、カメラ専門店が百貨店に変わりつつあるわけです。現在の家電量販店を見る限り、「百貨店業態」に対する消費者ニーズは健在なのだと思います。

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