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名門企業J社の末路 ―その2 破綻に至る道

 前回の記事(「名門企業J社の末路 ―その1 放漫経営の手口」)に続き、破滅的な放漫経営を続けているJ社について書きます。

 J社は毎年巨額の赤字を垂れ流し続けているだけでなく、年商の10倍をはるかに超える有利子負債を抱えています。それにもかかわらず、J社の資金繰りには現在のところ、大きな問題が生じていません。その理由は傘下のY銀行が集金マシーンとなって、貯金をかき集め、J社に融資している(より正確に言えば、J社の社債を買っている)からです。

 J社がY銀行の資金に依存していることは明らかです。計画通りY銀行がJ社グループの傘下を離れれば、J社が放漫経営を続けることは困難です。

□ 改革後退の真意

 ここまで財務が悪化してもなお、J社の経営陣は放漫経営を改めようとしません。それは、財務改革によって社員の支持を失うことを恐れているからです。そこでJ社の経営陣は、Y銀行の株をグループ外に放出する方針を撤回しました。Y銀行をグループ傘下に留めておけば、しばらくの間、放漫経営を続けることができるからです。

 さらにJ社経営陣は、Y銀行に対するJ社の社員預金の預入限度枠を拡大することを検討しています。近年の放漫経営によって、J社の社債発行額は急増しており、それに対応して、Y銀行の集金能力を拡大しておく必要があるからです。

□ 放漫経営の行きつく先

 現在のところ、Y銀行を利用した錬金術はうまく機能しています。当面J社の財務が破綻することはなさそうです。そしてJ社の経営陣は、放漫経営を続けています。だが表面上の安定の裏で、J社の財務は加速度的に悪化しているのです。

 J社の財務は、巨大な時限爆弾を抱えています。客観的に見て、J社の破綻は時間の問題であると考えられます。事態が切迫しているにも関わらず、J社の社内は意外なほど平穏です。経営陣は、危機を見て見ぬふりをしています。社員は、危機の深刻さを正しく認識していません。J社は破綻に至る道を、転げ落ちていると言わざるを得ません。

 そして、言うまでもなくJ社とは、あなたの会社です。

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