「百貨店政党」と「専門店政党」

 最近の政治状況をみると、日本に二大政党制は根付いていないと改めて感じられます。民主党も自民党も、政策的には八方美人的・総花的で、両者の対立軸がはっきりしていません。歴史を振り返ると、自由民主党も民主党も「自由党」と「民主党」が合併してできた政党であり、そもそもの理念の違いがはっきりしません。このため民主党・自民党のどちらが政権を取っても、政治の意思決定は迷走しがちです。

 このように民主党と自民党は、八方美人的な「百貨店型の政党」であると捉えることが出来ます。これに対して最近は、一つの政策にフォーカスした政党も出現しています。たとえば国民新党は、郵政の既得権擁護を唯一の旗印にする政党です。またみんなの党は、公務員制度改革を最大の政策目標にしています。これらの政党を「専門店型の政党」と捉えることも可能だと思います。

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こころの価値を売る世界でただひとつだけの会社(PR)

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 PR記事です。ぼくの同僚が本を出版したので、紹介します。

 「こころの価値を売る世界にただひとつだけの会社」(著者 小屋知幸)です。

 この本は、ひたすら儲けを追求する”肉食系企業”の限界を明示し、メガ・コンペティションを生き残るためには、「モノの価値を売るビジネス」から「こころの価値を売るビジネス」への転換が必要だと訴えています。また「競い合う企業」から「支え合う企業」に転換することが、今後の企業のあり方として重要であると力説しています。

 この本はポスト産業化社会における企業のあり方について、新たなコンセプトを提示しているということもできると思います。興味のある方は、ご一読いただけたら幸いです。

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疾走する上海

 先日、約10年ぶりに上海を訪れました。中国の経済発展の先頭を走る上海は、驚くほどの変貌を遂げていました。現在の上海は、ビジネスや資本や人を吸い寄せる熱気に満ちています。威風堂々とした超高層ビルが立ち並ぶビジネス街や、超高級ブランドが軒を連ねる繁華街などが示す「都市の表情」も、東京を圧倒するほどのパワーを持っています。

 近い将来上海は、自他共に認める”アジアの首都”に成長すると予想されます。そのとき東京は、上海と並び立つだけの力を維持できるでしょうか。東京は、国際都市として生き残るための戦略を、考えるべき時に差し掛かっています。

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老人国家に未来はあるのか ―その2 子供の財布から金をくすねる?

 「老人国家に未来はあるのか その1 平成鎖国論の台頭?」の続きを書きます。

 先の選挙で民主党は、「変化」を掲げて国民の支持を勝ち取りました。ただし変化後のビジョンが明確でなく、漠然とした方向性は「昔に戻ろう」的ノスタルジーの色が濃いという点は、前回指摘したとおりです。このような背景の前に立つ民主党は、「変化」を実現し、現在の閉塞感を突き破ることができるでしょうか?

 高齢化によって、現代の日本は高齢者の政治力が非常に強くなっています。このため既得権益の壁を崩すことができず、将来のための改革が困難になっています。そのしわ寄せは、政治力のない将来世代に集中します。そして現役世代の人気を取るためのバラマキ競争が、将来に禍根を残すことが強く懸念されます。

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老人国家に未来はあるのか ―その1 「平成鎖国論」台頭?

 衆議院選挙は民主党の圧勝に終わり、政権交代が実現することになりました。民主党に対する強い追い風の背景には、国民の強い閉塞感があったと考えられます。当然ながら「閉塞感」は、変化を求めます。その結果、「変化」を掲げた民主党に向かって風が吹いたのは、自然の成り行きだと思います。

 ただし国民が求めた「変化」の具体像が不透明であることは、非常に気になるところです。この国の行方については、民主党も具体的なビジョンを示せていないと思います。そしてもう一つ気になる点は、その「変化」の方向性が未来志向ではなく、「昔は良かった」的なノスタルジーの色が濃くなっているところです。

 その背景には、選挙民の高齢化等により、”老人のガバナンス”が強くなっている現実があるのではないでしょうか。

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リスク過敏社会の罠2

 以前に「リスク過敏社会の罠」という記事を書きました。
  このブログの記事  「リスク過敏社会の罠
  nikkeiBPnetの記事  「リスク過敏社会の罠

 そこで書いたことは、「社会全体がリスク過敏症になり、リスクの存在を容認しないムードが高まっている。行政も企業もリスク回避を重視するあまり、息苦しく非効率な社会になりつつある」ということでした。

 社会のリスク過敏症は、ますます進行しているようです。今回のテーマは前回の記事ほど、大げさなものではありませんが、最近の”インフルエンザ騒ぎ”で目に付いたことを書きたいと思います。

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船長不在のまま時化の海へ

 日銀総裁の後任人事が難航しています。最悪の場合、”空白”の事態となる可能性もあります。しかし、日銀総裁は国の金融政策の司令塔的存在です。しかも、現在は市場が大荒れで、一刻の”空白”も許されない状況下です。

 これは例えて言えば、大時化の海に船長なしで乗り出すようなものです。これはとてもリスキーですね。そして政局の混乱に乗じて、金融政策が人質に取られるような自体は、大変困ったことだと思います。

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春節の日の光景

 2月の連休は、中国の春節(チャイニーズニューイヤー)に当ります。今年の春節は、中国人観光客が大挙して日本に訪れました。

 ぼくは銀座で、その光景を目撃しました。銀座中央通や三越には、中国人があふれていました。彼らは購買意欲満々で、三越の開店と同時に店内に殺到していきました。ただその割りに商品は売れていなかったような気がします。

 中国人観光客は、今後爆発的に増加するでしょう。彼らは日本の小売業の上得意客になるはずです。しかし日本企業には、それに対応するマーケティングが十分できていないようです。

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貯蓄から投資へ-道半ばで後退!?

 銀行預金の残高が増加しています。日銀の統計によると国内銀行の預金残高は、8月現在で535兆円。これは8月の残高としては過去最高です。

 「貯蓄から投資」が声高に叫ばれていますが、道はまだ遠いですね。それどころか、道半ばで後退しかねません。預金の増加には、金利の上昇などさまざまな要因が絡んでいると思います。ですが、日本人の特性によるところも根強いと思いますね。

 どうも日本人は、市場とかリスクとかが嫌いなんですね。「投資で金儲けをするより、コツコツとまじめに働いてお金をためる方が尊い」。そう考える人が、マジョリティなのだと思います。その裏返しとして、日本の資本市場は市場参加者の層が薄く、市場が脆弱になっています。この状況は、当分変わらないのではないでしょうか。

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